日本の子どもが抱える貧困
日本は豊かな国だといわれています。
しかし、実際には、全ての子どもに平等な機会が提供されているわけではなく、すべての子どもが同じように将来を夢見ることができる社会ではない、と私たちは考えています。日本全体の貧困率は増加しており、子どもの生活にも影響を与えています。2009年の子どもの貧困率も14.6％と、前回調査時の14.2％より増加しています。
この「子どもの貧困」は、母親の就業率の低さ、政府の教育向け支出と相関があります。
「学歴は収入に影響を与える」と言われますが、統計的にも、40歳になる頃からその格差は大きくなり、男女ともに、学歴が高いほど年収が高く、学歴が低いと年収が低くなることが分かります。
このように、日本では、親の年収が低ければ子どもの学歴は低く、その結果、確率として年収は低くなる可能性が高いといえます。
そして、その子どもが親となり、子どもを持つと、その子どももまた、年収が低くなる可能性が高いため、経済的な貧困状況が、世代を超えて連鎖していく可能性が高いといえます。
1994年に1961件だった全国の虐待報告件数が、2008年には42,664件にまで増加しています。虐待が増加した要因としては、法整備の結果、虐待は問題だという意識が高まり、虐待通報に対する精神的なハードルが下がったことも考えられ、一概には日本における虐待の数が増えたとはいえません。しかし、子どもへの虐待が、決して小さな社会問題ではない、といえます。
周囲の通報等によって、虐待を受けていることが発覚した子どもは、児童相談所に保護され、様々な検査(心理診断やインタビュー並びに知能テスト等)を受けます。その結果、保護者と暮らすことが不適当とされた子どもが、私たちの支援対象である児童養護施設へと入所します。
しかし、実際には、全ての子どもに平等な機会が提供されているわけではなく、すべての子どもが同じように将来を夢見ることができる社会ではない、と私たちは考えています。日本全体の貧困率は増加しており、子どもの生活にも影響を与えています。2009年の子どもの貧困率も14.6％と、前回調査時の14.2％より増加しています。
この「子どもの貧困」は、母親の就業率の低さ、政府の教育向け支出と相関があります。
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グラフの対象国： オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、 フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、 イタリア、日本、ルクセンブルグ、オランダ、ニュージランド、ポーランド、 ポルトガル、スペイン、スロバキア、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカの25カ国 ※母子家庭の平均年収は、厚生労働省 平成15年度全国世帯等調査より
学歴と貧困
親の就業状況や年収は、いまの生活状態に大きな影響を与えるだけでなく、子どもの将来にも大きな影響を与えます。年収と、子どもの進学率は相関があるのです。貧困家庭に住む子どもの学力は、そうでない子どもと比較して高くなく、また、大学への進学率も低くなることが分かります。
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「学歴は収入に影響を与える」と言われますが、統計的にも、40歳になる頃からその格差は大きくなり、男女ともに、学歴が高いほど年収が高く、学歴が低いと年収が低くなることが分かります。
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厚生労働省「平成20年度賃金構造基本統計調査」より
このように、日本では、親の年収が低ければ子どもの学歴は低く、その結果、確率として年収は低くなる可能性が高いといえます。
そして、その子どもが親となり、子どもを持つと、その子どももまた、年収が低くなる可能性が高いため、経済的な貧困状況が、世代を超えて連鎖していく可能性が高いといえます。
虐待と貧困
貧困状態が与える影響の中で、最も激しいものが子どもへの虐待です。1994年に1961件だった全国の虐待報告件数が、2008年には42,664件にまで増加しています。虐待が増加した要因としては、法整備の結果、虐待は問題だという意識が高まり、虐待通報に対する精神的なハードルが下がったことも考えられ、一概には日本における虐待の数が増えたとはいえません。しかし、子どもへの虐待が、決して小さな社会問題ではない、といえます。
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周囲の通報等によって、虐待を受けていることが発覚した子どもは、児童相談所に保護され、様々な検査(心理診断やインタビュー並びに知能テスト等)を受けます。その結果、保護者と暮らすことが不適当とされた子どもが、私たちの支援対象である児童養護施設へと入所します。
自己肯定感 〜「自分は大切な存在」と思えること
日本は努力をすれば報われる社会であり、貧困からも抜け出すことができると思う人もいるでしょう。しかし、児童養護施設の子どもにとって、努力をすることには人一倍の困難が伴います。なぜならば、人が努力をするためには、「自己肯定感」が大きな役割を果たすからです。自己肯定感は幼児期に育まれますが、虐待というとても厳しい環境で育った子ども達は、自己肯定感が低いのです。
自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」と自分自身が思える心の状態です。多くの人は幼児期という、人生で最も愛情を受ける時期に、泣く度に自分を愛する親が来てくれて、自分を助けてくれるといった原体験が積み重ねられ、その土台が作られます。親からの愛情を受けとり自己肯定感を育んだ子どもは、 社会の常識等を学ぶしつけの時期に、大好きな親に褒められようと、自分の欲求を我慢するという課題を乗り越え、報われるという経験を積みます。そして報われた経験は、「頑張るといいことがある」という価値観を子どもにもたらします。
一方、虐待を受けた子どもは、報われた経験が少なく、「頑張っていいことがあるの？これまではいいことがなかったのに」という考えを持ってしまいます。児童養護施設にやってくる子どもたちの約50％が虐待を受けており、幼い頃に周囲の環境から受けてしまった心の傷が、努力すること・頑張ることを難しくさせている、とLiving in Peaceは考えています。
日本は努力をすれば報われる社会であり、貧困からも抜け出すことができると思う人もいるでしょう。しかし、児童養護施設の子どもにとって、努力をすることには人一倍の困難が伴います。なぜならば、人が努力をするためには、「自己肯定感」が大きな役割を果たすからです。自己肯定感は幼児期に育まれますが、虐待というとても厳しい環境で育った子ども達は、自己肯定感が低いのです。
自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」と自分自身が思える心の状態です。多くの人は幼児期という、人生で最も愛情を受ける時期に、泣く度に自分を愛する親が来てくれて、自分を助けてくれるといった原体験が積み重ねられ、その土台が作られます。親からの愛情を受けとり自己肯定感を育んだ子どもは、 社会の常識等を学ぶしつけの時期に、大好きな親に褒められようと、自分の欲求を我慢するという課題を乗り越え、報われるという経験を積みます。そして報われた経験は、「頑張るといいことがある」という価値観を子どもにもたらします。
一方、虐待を受けた子どもは、報われた経験が少なく、「頑張っていいことがあるの？これまではいいことがなかったのに」という考えを持ってしまいます。児童養護施設にやってくる子どもたちの約50％が虐待を受けており、幼い頃に周囲の環境から受けてしまった心の傷が、努力すること・頑張ることを難しくさせている、とLiving in Peaceは考えています。
ブログ新着情報
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