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チャンスメーカーの詳しい仕組み

皆さんからの寄付金は大規模な施設から、少人数の子どもが一緒に暮らす家庭と同じような規模の施設（グループホーム）への建替えに使われます。チャンスメーカーは、国の補助金の制度などを活用して、寄付金額を約4.5倍の価値に増やして児童養護施設に届ける仕組みをもっています。

どのようにして4.5倍の価値が生まれるのか、ここでは、約4億円をかけてグループホームという最も小規模タイプの施設への建替えを行う筑波愛児園を例にご説明します。

施設建替えの仕組み

既存の制度を効果的に活用し、施設建替えを行います。地域によっては、人的支援も受けられます。

①国からの補助金
児童養護施設が施設を建て替えるときには、国から補助金をもらえます。4億円のグループホームを建てるときには、その7割のおよそ2億8000万円が国からの補助金でまかなわれます。つまり、1億2000万円の手元資金があれば、4億円の施設を建てられます。

②無利息の借入れ
手元資金の1億2000万円は、借入れでまかなわれます。社会福祉法人である児童養護施設は、福祉医療機構という団体から15年間にわたって無利息の貸付けを受けることができます。1億2000万円を15年間にわたって同額ずつ返していくとすると、年間800万円、つまりひと月あたり67万円の収入があればよいことになります。

③慢性的な人手不足の解消
地域によっては、小規模な施設への建替えに対してさらに補助がつく場合があります。例えば、東京都は、小規模な施設に対して、職員を雇うための予算を増額する制度をもっています。東京都所管の施設である筑波愛児園の場合、小規模な施設への建替えによって、養育担当の専任職員が15名から3名増員して18名になる予定です。比率にすれば20％増で、金額に換算すると、人件費が年間500万円だとして、1500万円の支援を毎年得られることに相当します。これは、深刻な人手不足を慢性的に抱えている児童養護施設にとっては、非常に価値が高い支援です。

LIPの効率的な事業運営と税制上の優遇

寄付金が支援先に届けられるまでに、NPOのスタッフの人件費などの必要経費が寄付金から差し引かれるのが一般的です。
そのため、支援先に届くまでに、寄付金が目減りすることがあります。
メンバーが本業を持ちながら活動している、パートタイムNPOであるLIPの場合、人件費が一切発生しません。皆さんからの寄付金は、カード決済手数料などの必要経費を除き、大きく目減りせずに児童養護施設に届けられます。なお、これまでの実績では、カード決済手数料などの諸経費は寄付金のおよそ7〜10％です。

また、LIPは認定NPO法人としての認定を国税庁長官より受けており、皆さんの寄付金は税制上の優遇措置の対象となり、所得税の税額控除などの適用を受けられます（皆さんに確定申告をしていただく必要があります）。
月額1000円（年額1万2000円）の寄付をする人の場合、受けられる税額控除の額は、原則として4000円です。
詳しくは、こちらをご覧ください。

国からの補助金制度と無利息の貸付制度により、1億2千万円の寄付金によって4億円の施設を建築できます。
ここで寄付の価値は約3.3倍に増えます。さらに、LIPの効率的な事業運営と認定NPOとしての税制上の優遇措置を活用することにより、寄付の価値は1.35倍に増えます。トータルでは、寄付の価値は約4.5倍となります。
これに加えて、国と地方自治体の制度を活用すれば、小規模施設化により養育担当の専任職員を新たに雇うことができます。

皆さんから寄せられた寄付金を4.5倍の価値にして児童養護施設に届けることができ、かつ養育担当の専任職員を新たに雇えるのが、チャンスメーカーの仕組みです。