認定NPO Living in Peace代表の慎泰俊が今会いたい人と、これからの働き方・子どもの未来について語ります
第1回
2013年7月20日(土)
Teach For Japan代表 松田 悠介さん × Living in Peace 代表 慎泰俊
【前編】日本人にはもっと自信が必要 人の成長の源は”自己肯定感”
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

慎泰俊がいま一番お話ししたい人をお招きする対談企画『働きながら、社会をかえる。』の第一回は、「NPO界の松岡修造」こと松田悠介さん(NPO法人Teach for Japan代表理事)との熱烈教育談義です。
四月某日、外の肌寒さをもろともせず、聴衆としていらっしゃったChance Makerの方々と、松田さんと慎とのあいだで、楽しく刺激溢れるやりとりが繰り広げられました。対談後には「わたしも教師になりたくなった!」という声が会場からちらほら聞こえるほど。
Teach for Japanの活動が目指しているのは何か?、なぜ教師になることで人は成長できるのか?、松田さんに伺いました。
(企画・構成:Living in Peace 教育プロジェクト)
Teach For Japan代表
松田 悠介さん
1983年千葉県生まれ。
2006年、日本大学文理学部体育学科卒業後、都内私立中高一貫校の体育科教諭として勤務。その後、千葉県市川市教育委員会 教育政策課分析官を経て、 2009年にハーバード教育大学院(School Leadership Program) で修士号を取得。帰国後は一年間、外資系コンサルティングファーム PriceWaterhouseCoopersで人材戦略にたずさわり、2010年、NPO法人Teach For Japanを設立、現在に至る。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。

慎  :松田さん、よろしくお願いします。 松田さん:よろしくお願いします。
(以下、敬称略) 慎  :松田さんと知り合ったのは結構前だと思っていて...人づてで松田さんがティーチフォージャパン(以下:TFJ)を始めようとしているっていうのを聞いたのが、たしか4年前です。 松田 :そうですね。 慎  :今は松田さんとは、ワールドエコノミックフォーラムの一番若い人達の部門であるグローバルシェーパーズコミュニティでご一緒させていただいていて、松田さんはNPO界の松岡修造と言われているんですが、とにかく熱い人で。 松田 :恥ずかしいですね(笑) 慎  :今日はその松田さんの熱さの秘密にたっぷりと迫りつつ、あと教育について聞いていきたいと思っています。元々は別に、熱血系じゃなかったんですよね。 松田 :そうですね。 慎  :いつ熱血系に変わられたんですか? 松田 :本当に教育に対する強い思いを持ち始めたのが高校2・3年生の頃だったと思うんですけれど、自分自身が中学時代身体的にいじめられてた時期がありました。今でこそ180cmあるんですけど、昔は本当に150cmくらいしかなくて、いじめっ子に休み時間柔道技をかけられるいじめをずっと受けていて、すごく悔しかったと同時に、まあどうにかできる問題じゃないなと、思ってました。

慎  :うん。
松田 :ずっと我慢、我慢することが最善の策だと思ってた中で、自分と向き合ってくれた恩師との出会いがすごく自分にとって大きかったです。その恩師と二人三脚で自分の体を強くしていったり大きくしていったり、そうすることによって体育の授業で一つずつ成功体験が生まれて、体育が好きになっていきました。体格だけでなく、心の部分でも変化があって、内向的な性格からどんどん自分のことを発信できるような性格に変わってったというのが、中学校から2、3年ずっと続きました。で、いつの間にか体育バカになって、体育がすごく好きになっていた。
慎  :なるほど。
松田 :大嫌いな科目を大好きになっていくプロセスや、学校の中で弱い立場にいる自分が解放されてくプロセス、そして、それに介在する人の強み、これを自分自身すごく実感しました。そこで、一番最初に考えたのは恩返ししたいという思いですね。恩返しするんであれば中途半端にではなくて、全力でやって恩返しをしていきたいという思いが、高校2年生くらいからですね、体育教師になりたいという思いとともに生まれました。これが、自分の一番最初の原体験ですね。
慎 泰俊 Taejun Shin
1981年東京生まれ。
朝鮮大学政治経済学部法律学科卒、早稲田大学ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て、現在はPEファンドの投資プロフェッショナルとして様々な事業の分析・投資実行・投資先の経営に関与。
記事一覧