認定NPO Living in Peace代表の慎泰俊が今会いたい人と、これからの働き方・子どもの未来について語ります
第2回
2013年9月21日(土)
ライフネット生命保険株式会社代表取締役社長兼COO 岩瀬 大輔さん
× Living in Peace 代表 慎 泰俊
【前編】好きな人を応援したいという気持ちが、社会問題への入口であってもいい
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衝撃を受けたソーシャルアントレプレナーシップとの出会い
岩瀬 :最初はマイクロファイナンスのお手伝いです。アクシオン(ACCION)という、南米のマイクロファイナンスの組織で。
慎  :おー、有名ですよね。 岩瀬 :そこのトップが、HBSに教授でいらしたんです。彼は元々BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)から、事業会社を経てKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)。とても小柄な方で、一見すると、とてもコミカルな印象の方なんですけど(笑)。

対談中の慎泰俊

慎  :はい(笑) 岩瀬 :それで、まずその先生に付き添って、アクシオンの理事会に出ていたんです。すると、理事はだいたいヘッジファンドのオーナーとか、投資銀行のマネージングディレクターとか、弁護士とか、ビジネススクールの教授とかでした。さらに、マッキンゼーがプロボノでサポートしていましたので、いつもすごいレポートが出されていて。これは、一般の会社よりもよほどプロフェッショナルではないだろうかと思いました。それが、ソーシャルアントレプレナーに興味を持ったきっかけですね。 慎  :いや、それは、バリバリですね。

岩瀬 :そうなんですよ。だから日本に帰ってきて、そういう活動があったら手伝わなきゃ、と思っていました。でも、自分ではできないなとも思っていて、そんなときに声をかけてきたのが土井香苗さんでした。
慎  :それで、土井さんの活動を手伝われるようになったのですね。
岩瀬 :彼女のような人を見ていて感じるのは、誰かがやらなきゃいけない仕事をみんなの代わりにやってくれているという感覚です。しかもキャリアを賭けて。なので、そういう人のことは少しでも手伝わなきゃ、と思います。
慎  :なるほど。岩瀬さんの場合、「人」なんですね。
岩瀬 :そうですね。おそらくこういう活動には、「問題意識」とか「バックグラウンド」とか色々な入り口があると思うんですが、僕の場合はそれが「人」なんだと思いますね。僕は、問題意識がないわけではないんですが、どんな社会課題も重要だと思うから、むしろ、好きな人をとにかく応援したい。そう思っています。
慎  :ちなみに、良ければ聞かせていただきたいのですが、岩瀬さんが応援したいと思う人って、どういう人でしょうか?
岩瀬 :応援したいのは、土井さんとか、小林りんさんとか、功能さんとか、慎さんとかです(笑)。別にやってることがすごいとか偉いとかよりも、僕の場合は好きな人を応援したいんです。例えば、ARUNの功能さんのことはすごく好きで(笑)
慎  :どんなところが好きなんでしょう?
岩瀬 :彼女、すごいんです。例えば、ARUNの方から聞いた話ですが、カンボジア人の会議でちっちゃい日本人が急に出てきてクメール語でワーッってまくし立てたので驚いた、それが功能さんだった、とか。あと、とても明るい人ですね。 だから、今応援している人たちは、別にそういう活動をやってようがやっていまいが、ただ友達になりたいと思うような人たち、ということになると思います。
慎  :なるほど。
岩瀬 :もし相手がソーシャルアントレプレナーじゃなくても、友達だったらみんなごく自然にお互い助け合いますよね、できる範囲で。だから同じように自分のできる形で応援するっていう、それだけです。
慎 泰俊 Taejun Shin
1981年東京生まれ。
朝鮮大学政治経済学部法律学科卒、早稲田大学ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て、現在はPEファンドの投資プロフェッショナルとして様々な事業の分析・投資実行・投資先の経営に関与。
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