衆議院議員 細野 豪志さん × Living in Peace 代表 慎泰俊
【前編】NPOも政治も、大切なのは問題をいかに「自分事」として捉えてもらえるか
慎 :企業献金を受け取らないということとも関連しているかもしれませんが、細野さんはそもそもなぜ政治家になられたんですか?
細野 :政治家になったのは、学生のときに阪神淡路大震災が起こり、現地にボランティアに行ったのが大きなきっかけだったんです。やはりあれだけのことがあったときに、本当に問われるのは政治で、一つ一つの判断が人の命に直結をするので、もっとやれることがあるんじゃないかと思ったんですよね。それともう一つは、当時93年の細川政権が誕生して、元々あまり政治と縁のなかった人が政治の世界に入ってきていた。自分もやってみたいという思いと、やれるかもしれないという時期が重なり、それでこの世界を志したんです。
対談中の細野さん
慎 :そうした思いで始められて、企業献金は受け取らないで活動してきて、とはいえ、党の責務としてはやはり票は無視できなくなってきて、さらに今また原点を考え始めた、ということですか。その期間、どういったことがあって、そういう思いの変遷があったんでしょうか。
細野 :もともと野党だったので、あまり企業や団体からお金をもらえなかったこともあったのですが、ある時期から腹を決めて、自分は個人献金だけでやっている、と外に向かって言い出したんです。ありがたいことに、自分の事務所とスタッフの給料くらいは回るようになってきたのですが、ただ、今は仲間で落選した人間が多くて。どうしてもそういう人間がもう一回上がってきてくれるような状況をつくりたいんです。いろいろ考えた挙句、私自身はこれからも個人献金でやっていく。それとは別に、仲間を引っ張り上げるために、グループをつくって、政策もお示しをした上で、そのグループを応援してもらえるようお願いをする、ということを来年の4月に初めてやってみることにしたんです。
慎 :なるほど。
細野 :ただ、やはり票とお金があるところに政治家は吸い寄せられるんです。なので、僕個人では、後援会をつくって、応援してくれる人たちにお願いをして戦う、これからもこのスタイルはできるだけ守っていきたいと思っています。グループとしては、経済的には支援をしてもらうんだけど、いろんな政策を決めるときには、やはり国民の皆さんにとっていいかどうかということを、判断基準には絶対しておきたいと思っています。