認定NPO Living in Peace代表の慎泰俊が今会いたい人と、これからの働き方・子どもの未来について語ります
第1回
2013年8月10日(土)
Teach For Japan代表 松田 悠介 × Living in Peace 代表 慎泰俊
【後編】リーダーシップとは信頼関係を作ること 真のリーダーが生まれる教育の現場
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教師は至上のリーダーシップ経験
慎  :残り10分なので、会場から質問がありましたらどうぞ。
ー   教育がサイボーグに代替可能かというお話に関して、今は生物教師とか国語教師とか各科目ごとに教師がいる形になってるんですけど、もし教育のWhatの部分がロボットに置き換わっていくのだったら、科目教師っていう枠組みはなくなって、師匠というか先達みたいな一つの役割だけが残るんじゃないかってことも考えるんですけど。
松田 :教師の役割は、おそらくコーディネーター、ファシリテーター的な役割になっていくと思っています。どういうリソースをインターネットからとってきて、どういうプログラムを使っていくのか、コミュニティとの調整であったり、学級目標に基づいた授業になるようにファシリテートしていくということとか。あとは、やっぱり細かなフォローアップというのは機械でできない部分もあるので、どんだけ素晴らしいICT教材を入れたとしてもですね、最終的にはそこから抜け落ちてく部分、もしくは質問に答えてくっていうこともあると思うので、専門性っていうのは間違いなく教師は持ってなければいけない。コーディネーター的な役割を持ちつつも、それを最大限発揮するために、その教科に対する知見、知識はすごく求められていくんだろうと思っています。
ー   TFJでやろうとしてることって、すごく優秀な、企業でも超エリートになるような人を教師の中に入れていこうっていう考えだとすると、給料が低い教師という職業に、それだけ優秀な人材を入れていくのって、他の国ではどうやってやっているんでしょうか。
松田 :一点事実確認したいのが、日本の教師の給料は高いです。OECDの中でも高い水準にあります。東京都の教師の平均年収は780万円です、780万円。もう一つはですね、優秀な人材の働くモチベーションって何なのかというのは、今私が接している人たちを見る限り、お金の部分じゃないなと感じています。自分のやりたいことを実践できる現場であったり、もしくは自分が成長できる場っていうのを求めているんだろうなと思います。 アメリカのTFAでいえば、本来であればハーバード卒業して投資銀行で働けばすぐに1,000万2,000万稼げるのに、なぜ300万円の教師として働き始めるのかっていうことを考えるとですね、成長できるからです。 慎  :成長、ですか。 松田 :そうです。教師経験こそ、至上のリーダーシップ経験なんですよ。課題が山積みのところに入って行って、修羅場を経験して、あるべき姿を描き、一人一人の子どもとコミュニケーションを取りながら信頼関係を築いていく。で、そのあるべき姿に向かっていく、二人三脚で。半歩先を照らしながら計画も立てなければいけませんし、PDCAサイクルも回してかなければいけない。教師は多忙なので、一つ一つの業務を効率的に、優先順位をつけながら仕事をしてく能力や、セルフマネジメント、クラスルームマネジメント、こういったものがすごく求められる仕事なんですね。2年間、結果を出すということを意識をしながらやっていくと、自然と成長してくんですよ、人間的に。そういったものは、企業での最初の1年間では得られないものだよね、リーダーシップを身に付ける絶好の場だよね、というのがアメリカで就職ランキング1位になって、優秀な人材を集めてる理由なのかなと思います。 慎  :なるほど。 松田 :今日ここに来ていただいている識名さん(会場の聴衆、チャンスメーカー)も、実は私共のパイロットプログラムに参加いただいた1人なんですけれども、神奈川県の開成町で学習支援員という形で。識名先生に何か共有していただけると、よりわかるかなと。急に話を振ってごめんなさいね(笑)
識名さん(以下、敬称略):
いえいえ(笑) 質問はその、どういうインセンティブで優秀な人を取り入れるかということですよね?
松田 :そうですね。
慎 泰俊 Taejun Shin
1981年東京生まれ。
朝鮮大学政治経済学部法律学科卒、早稲田大学ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て、現在はPEファンドの投資プロフェッショナルとして様々な事業の分析・投資実行・投資先の経営に関与。
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