認定NPO Living in Peace代表の慎泰俊が今会いたい人と、これからの働き方・子どもの未来について語ります
第1回
2013年8月10日(土)
Teach For Japan代表 松田 悠介 × Living in Peace 代表 慎泰俊
【後編】リーダーシップとは信頼関係を作ること 真のリーダーが生まれる教育の現場
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優秀な人材を巻き込み、共感する人を増やすことで、改革を加速させる

Teach For Japanに参加中の識名さん

識名 :私が優秀なのかどうかは一旦置かせていただいて(笑) まず、私自身が入りたいなと思ったのは、まさにその成長の機会がすごくあるなと。あとは少し打算的ですが、私は元々コンサルティングファームにいたのですが、転職するにあたってTFJにはブランド力もしっかりあるなと思いました。自分のキャリアの一歩として、履歴書にTFJ出身と書いたら絶対私の今後のキャリアアップになるだろうという期待は、親を説得するときとか、周りに言うためにも重要でした。教育分野の課題解決に入っていきたいっていう気持ちはすごく強いけれど、それってやっぱり日本だと変わった人みたいに思われてしまいやすいので、実績やブランド力みたいなものがあると周りから理解されやすいと思ったんですよね。

松田 :TFAのケースでいうと、プログラム開始の段階でアンケートをとると、94%の先生たちは2年のプログラムが終わった後に教育の世界に残るつもりはないんですが、プログラム終了時には、66%がそのまま教育の現場に残るんです。つまり、60%の人たちは、最初は教育に想いはあるがまだよくわからない状態でも、最終的にはやっぱり教育が重要だよね、コミットしてかなければいけないよねっていうところに行き着く。これはすごく重要なポイントだと思っていて。今まで教育に携わらなかったであろう優秀な人材たちを教育に巻き込み、教育変革を実現するからです。
慎  :そこにインパクトがあるわけですか。 松田 :そうです。識名先生も、やっぱり1年の経験のなかで問題意識を感じているので、今教育系の研修会社にいらっしゃいますけれども、人材育成の中で自分が何ができるのかということも考え続けると思いますし、もちろん将来的に教育支援で起業されるかもしれない。こういう課題解決に取り組むリーダーを一人でも輩出していくっていうことはすごく重要なところです。なぜかというと、僕らだけでは、この日本の教育課題というのは解決できないんですよ。どんだけ当事者意識を持っている課題解決者を増やしていけるのか。松田悠介が2人いれば課題解決のスピードは2倍に、100人いれば100倍になるんですよ。TFAでいえば、今まで3万人以上の卒業生を出していて、今ワシントンD.Cの教育長になっていたり、もしくは連邦議員になっていたり、企業の重役になっていたり、本当に変化を起こせるポジションにいる人たちがこの登竜門を通って、課題解決に携わってる。だからこそムーヴメントが起こってくんだと思うので、そういった意味では、教育変革を起こすリーダーの登竜門にしていくというのはすごく重要になっていくんだろうなと思います。 慎  :私の親も教師なのですが、教師は1回やったらやめられないってよく言います。
松田 :やりがいがありますからね。
慎  :卒業生から色紙とかもらったらちょっとやめにくくなりますよね(笑)
松田 :まあ私も色紙をもらってもやめた一人なんですが(笑) でもすごく嬉しいのがですね、私は体育の教師を2年間勤めたなかで、1,000名を超える子どもたちの人生に何かしら携わったんですね。やめて6~7年になりますが、今でも常にコンタクトをしてくれたり、大学に入れましたとか就職できましたっていう報告であったり、あとは、当初松田先生すごく嫌いだったんだけれど、今すごい感謝してますっていう言葉をいただいたり。あと嬉しいのは、今携わっててくれてるってことですよね、TFJの活動に。もう、10人を超える教え子がこの活動に携わってくれてるんですね。やっぱり人の人生に携わる仕事で、かつ受益者側が間近で見えて、長いスパンで感謝される仕事ってそんなにないんですよね。成長とか抜きにしても、教師とか教育というのはすごくやりがいがある仕事なんだろうなというのは、今しみじみと感じます。
慎  :次の募集はいつなんですか?
松田 :夏から始まります、ネットで。今は教員免許という制約はあるんですけれども、本当に3年後には教員免許を持ってなくても送り込める仕組みというのをつくっていきたい。あと、ご自身が教員免許を持っていなくてもですね、是非ともこのことを発信していただきたいなと。教員免許を持っていて実際に教員になるのは全体の20%ですから、実は8割が一回社会に出てるんですね。だから、周りの人に教員免許持ってる?って聞いていただければ(笑)。あと、来年は教科は英語に絞ろうと思っていて、やっぱり組織って立ち上げのときはリソースが限られていますので、選択と集中、で、我々は海外にもたくさんリソースがあるので、まず英語に絞ろうと思っています。
慎 泰俊 Taejun Shin
1981年東京生まれ。
朝鮮大学政治経済学部法律学科卒、早稲田大学ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て、現在はPEファンドの投資プロフェッショナルとして様々な事業の分析・投資実行・投資先の経営に関与。
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